
アコースティック・ギターはもちろん、メタリックに光るエレキギターもギターはほとんどが木製品。今回から数回に分けて、ギターと木にまつわる話を掲載していきます。
ギターに使われる木と言えば、北方の樹木 "マツ、トウヒ(スプルース)、カエデ(メープル)、スギ(シダー)" や、南方の "マホガニー、黒檀、ハカランダ" などが有名です。
マツ・・・といっても防風林に使われる赤松や盆栽の五葉松などではなく、エゾマツのようなトウヒ属と呼ばれる "真っ直ぐに" 伸びる木。クリスマスツリーの形をした針葉樹です。
建材などでもそうですが "曲がった木目" の材を使った場合、時間の経過にともなって「木目の曲がった方向へ・・・」と力が掛かってしまうので、結果、楽器の狂いに。トウヒ属は狂いが少ないうえ適度の柔らかさも兼ね備え「楽器がよく鳴る」ということでボディトップの材料として使われるのです。

スプルースのボディトップ
カナダのメープルシロップで有名なメープルの木は、堅く、弦楽器のネックなどに使われます。メープルの楽器への使用は古く、昔ヨーロッパでガレー船のオールとして使われていたものをバイオリンの材料にしたとか。

メープルのヘッドとネック
バイオリンの裏板には "トラ目" と呼ばれる筋(スジ)の入ったメープル材が使用されるようですが、もともと木の歪みの大きい部分。だから裏に使っていたのでしょうが、最近はこの模様の美しさが評価されギターのボディトップ材に利用されたりします。最も有名なのがギブソンのレスポールでしょうか。ちなみに「タイガーアイ」ではなく、トラ模様のことです(タイガーストライプとも)。

ネックに近い方がトラ目、手前側がキルト模様です。
次回は2週間後、現在のギターはどんな風に出来たのか?などなど お楽しみに!