今回の内容は
@順反りネックの修正 A純正の樹脂製サドルを牛骨に変更
というご希望でした。
お預かりしたギターは3年前に新品で購入したという某アメリカ有名メーカー製。ご依頼主はエレクトリック・ギター中心に弾くため、アコースティック・ギターを使うことはそれほど多くなく、2〜3時間くらい月に数回程度の使用頻度とのこと。
アコースティック・ギターはエレクトリック・ギターと比べるとやはり弦高が高めなので、反っていなくても弾きづらさがあるかも知れません。ネック反りの修正と合わせて、2つ目のご依頼内容の「牛骨製サドル」の方も低めに製作し、弾きづらさを改善することにしました。
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@ 順反りネックの修正
オーナーさんは木造住宅にお住まいで、部屋には空気の流れがあるため、ギターの保管には適した湿度の安定した住環境のようです。冬場は乾燥対策のため、ギターケースの中に楽器用の保湿剤を入れて保管していたそうです。湿度を一定に保つのは難しいことですが、若干、多湿ぎみだったかもしれません。
通常、順反りの場合はトラスロッドを締めて反りを戻すのですが、まだ新品に近い今の状態でトラスロッドを回すと締めシロを減らしてしまうことになり、避けた方が良いと判断しました。
トラスロッド部分
1週間ほどギターの様子をみながら調整し、わずかに逆反り気味の初期状態に近い形に戻しました。
ギターの保管ですが、使用頻度があまり多くない場合は、弦は充分に緩めた方がネック反りの防止になります。
A 牛骨製サドルの製作
サドルの材質を変えると音色が変わります。牛骨はアコースティック・ギターのサドルとして伝統的ですね。今回は弾きやすさも考え、高さの調整も行いました。
試奏の結果ですが、芯の通った華やかさのある音になったと思います。