2011年10月10日

連載・ギター小噺 『ギターと木の話A』

icon_135.gifギターと木の話A〜家具職人も作る楽器〜

アプリコット・ファームがある日高・飯能地域は、古く林業でも栄えた土地です。杉やヒノキといった針葉樹が中心ですが、建材や家具材は日常生活の中でもとても馴染み深いものですね。定番の樹木なんていうのもあります。農機具の柄には樫の木、箸や櫛にはツゲの木、楊枝にはクロモジ。「おい、親父!クロモジ取ってくんねぇ」

さてヨーロッパの家具材の一つ、マホガニーをご存知と思います。中南米やアフリカに分布する広葉樹ですが、高級家具材やベニスのゴンドラの材料としても有名ですね。かつてはヨーロッパで主流の家具材だったそうで、ギターの材料としても使われてきました。

当時は手に入りやすい材料だったのでしょう。ギター製作者の中には家具職人出身の人もいたそうです。

現在のアコースティック・ギターの形が出来たのはアメリカです。移民時代に多くの職人達も新大陸に渡り、クラシック・スタイルからスチール弦と大きなボディを持った楽器へと変わっていきました。有名ブランドのマーチンやギブソンも、アメリカに渡ってギターを作った移民たちの一人です。

IMG_4226-small.jpg

導管(水が通る管)がくっきりと見える美しい木目のマホガニー。当時の典型的なギター材料の1つですが、需要が高かったため濫伐に遭い、現在ではワシントン条約で取引が規制されています。

日本では間伐されない山のスギ花粉が問題になりますが、いつの時代も家具や建物や楽器となって、私達の身近にいてくれる樹木との共存を願わずにいられません。

posted by A.C. at 04:00| Comment(0) | ギター小噺
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