2011年10月17日

連載・ギター小噺 『ギターと木の話B』

icon_135.gifギターと木の話B〜色も木目も味のうち〜

アフリカの黒檀(エボニー)は真っ黒な非常に堅い木で、エジプトの時代から珍重されてきたものです。仏壇やチェスの駒などにも使われる高級な木ですが、最近はとても希少で値段が高騰しているとか。ギターでは主に指板に使われます。

ピアノの黒鍵をエボニーと呼ぶことはよく知られていますが、それは元々黒檀で作っていたから。今では実際には色を表しているだけの場合が多く、黒檀はほとんど使われません。エボニーという木の名前が "黒" の代名詞になってしまったんですね。

堅い木、色の濃い木としては、ローズウッドも代表的なギターの材料です。堅くて良く共鳴するためボディ(サイド、バック)に適しており、こげ茶色のシックな色合いの美しさから指板にも使用されます。

このローズウッド、マメ科の一種でインディアン・ローズウッドやブラジリアン・ローズウッドといった種類がありますが、これにも "呼び名" としての使われ方が定着しているそうです。というのも、木材の流通では "色が似ているから" という理由で、全く異なる樹種の木材もローズウッドの名前で呼ばれるとか。例えて言うと一昔前、銀ダラだと思っていた魚が実はメロだった、というようなものでしょうか ^^;?

さて樹種の方のローズウッドですが、中でもブラジリアン・ローズウッドは銘木の評価高く、ハカランダとも呼ばれます。当然この木を使ったギターは高価なものになります。やはり絶滅のおそれがありワシントン条約で規制された樹木。

IMG_4174-small.jpg
インディアン・ローズウッドの指板材です

CIMG7408.jpg

楽器は確かに音を出してナンボという道具、しかし美しさという魅力もまた味のうち、ということでしょうか。


次回からはギター選びのヒントなどなど。お楽しみに!
posted by A.C. at 00:00| Comment(0) | ギター小噺
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